臨床試験で年10%の減量効果のある抗肥満薬「キューネクサ」がアメリカで承認される見通し
この春にもアメリカで抗肥満薬が承認される見通しなんだそうです。抗肥満薬・・・つまり病気としての肥満を治療するための薬ですね。
この抗肥満薬は名前を「キューネクサ」と言い、その正体は食欲抑制薬のフェンテルミンと抗てんかん薬のトピラマートを混ぜたものなんだとか。食欲抑制薬ですから、食欲を抑えて摂取カロリーを落とすことによって減量を図る治療薬ですね。
臨床試験では結果を出すも副作用の問題が・・・
肥満の人を対象にした臨床試験では1年間で平均10%もの減量効果が認められたそうなんですが、一方でこの「キューネクサ」には心臓へのリスクや妊婦さんが摂取した場合、先天的欠損症の子供が生まれるリスクなども認められていて、現に2010年には一度、この薬の承認勧告が否決されている経緯があるようです。
それにも関わらず、今回承認勧告が可決された理由は次の通りです。
2年前はリスクが高いことを理由に支持しなかったが、今回は販売の管理を強化するというメーカーの対策を認め、賛成20、反対2の大差で支持した。
(中略)
ビーバス(キューネクサを開発した医薬会社です)はリスク対応策として、薬を服用する女性には毎月妊娠検査を実施し、医療サービス提供者側にも薬の利点と難点に関する専門訓練を施すほか、公認の薬局だけに販売するといった管理体制の強化などを諮問委に提示した。
http://www.usfl.com/Daily/News/12/02/0223_048.asp?id=93898
キューネクサに副作用を認めながらも承認される理由
前述のようなキューネクサに認められている副作用のリスクには触れず、単に販売面のみのメーカー側の対策を認めて、2年前とは一転可決しちゃったわけです。こんなんで大丈夫なの?って感じですが、よくよく調べてみるとこのキューネクサって抗肥満薬は、あくまで病的に太った人向けの薬なんだそうです。
つまり、キューネクサによる副作用のリスクよりも、極度の肥満状態にある人が直面している様々な肥満による健康被害のリスクの方が高い場合にはじめて処方される薬なんだとか。そう言えば日本と違ってアメリカの肥満って桁外れですもんね!
ちなみに、ビーバスは将来的にはアメリカ国外での展開も視野に入れているそうですが、今のところ日本での承認を目指す動きはないそうです。