第1子を帝王切開で出産した女性が第2子を自然分娩で出産するリスクは3倍に!
これまでは帝王切開による出産経験のある女性が再び妊娠した場合の出産方法について、再び帝王切開によって出産するリスクと、今度は自然分娩による出産方法を選択した場合のリスクを比較した信頼性の高いデータはありませんでした。今回、オーストラリアのアデレード大学の母子健康研究センターの研究チームによると、第1子を帝王切開で出産した女性が、第2子を自然分娩で産むと出産リスクが高くなるという調査結果が得られたんだとか。
帝王切開を経験した女性の自然分娩リスクは3倍
研究チームは、オーストラリア国内14ヶ所の産院で、第1子を帝王切開で出産した経験を持ち、現在第2子を出産予定の女性、実に2345人もの人を対象に調査を行ったところ、第2子の出産後、新生児が死亡したり深刻な合併症を発症した割合は帝王切開出産が0.9%だったのに対し、自然分娩では2.4%と、自然分娩を選択した場合の新生児へのリスクが約3倍も高くなっていたんだそうです。また母体における大量出血などの分娩時のリスクも、帝王切開出産が0.8%だったのに対し、自然分娩では2.3%と自然分娩を選択した方が帝王切開を選択した場合の約3倍も高かったという結果が出たんだとか。
以上のような調査結果に基づいて、研究チーム代表のキャロライン・クローザー氏は次のように述べられています。
「女性、医療関係者、政策決定者それぞれに有益な情報となる。帝王切開を経験している女性の次の出産方法を選択する際に、健康面でのアドバイス向上につながるだろう」と期待を寄せた。
http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2865454/8646593?blog=sonet
あくまでもこの調査結果はオーストラリアにおける調査の結果ですので、これをそのまま日本人に当てはめることは少し乱暴かもしれません。しかし第2子の出産方法に自然分娩を選択した場合、新生児へのリスクと母胎へのリスクが、ともに大きく跳ね上がってしまうとなると、やはり余程の理由がない限りは第2子も帝王切開による出産を選択すべきだと言えますね。
増加傾向にある帝王切開による出産
現在では帝王切開による出産は世界的に増加傾向にあると言います。今回の調査研究がおこなわれたオーストラリアでも出産の約3分の1が帝王切開による出産なんだとか。ちなみに、今回の調査対象となった女性、つまり第1子を帝王切開で出産し、第2子を出産する予定の女性のうちの半数は、当初第2子は自然分娩での出産を希望していたそうですが、そのうちの約43%は医療上の理由から最終的には帝王切開での出産を選択したんだそうです。