緑内障の早期発見に光明!緑内障の発症リスクを高める遺伝子変異を特定
40歳以上の日本人の約20人に1人がかかっていると言われる緑内障。自覚症状がないまま静かに進行して、自覚症状が出た時にはかなり病状が進行しているケースも多く、糖尿病網膜症と並んで失明原因のトップとなっているとても恐ろしい病気です。今回そんな緑内障のうち、日本人に多いタイプの緑内障の発症リスクを高める遺伝子変異が特定されたんだそうです。この遺伝子を調べることにより早期発見につながる可能性が高まるのだとか。
緑内障発症のシステム
そもそも眼球内部はタマゴの白身のような透明の水分状の物質で満たされたボールのような仕組みになっていて、眼球内部に常に一定量の水分が供給される一方で、一定量を排出することにより「ほどよい堅さ=圧力」が保たれているのだそうです。しかし、その水分の排出が滞ると当然眼球の中の圧力は高まり、その結果、視神経にダメージを与えてしまいます。そして、一旦ダメージを受けた視神経は回復するのが難しく、眼圧が正常に戻らない限り、この視神経へのダメージは広がり続け、やがて失明につながってしまうと言うわけ。
緑内障の症状と早期発見が難しいワケ
緑内障の特徴的な自覚症状は視野の欠損ですが、初期段階では視覚欠損を自覚することはほとんどありません。また、痛みがあるわけでもないので、潜在的にたくさんの患者さんがいると言われています。緑内障初期の自覚症状のない段階では、一般に行われる眼圧検査だけではその診断は難しく、さらに眼科専門医による眼底検査や精密な視野検査を行なわなければ正確な診断は下せないのだそうです。
原因遺伝子特定で緑内障の早期発見に光明
今回、そんな早期発見が難しい緑内障の原因遺伝子を特定したのは、京都府立医科大の田代啓教授らの研究チームで、次のような研究成果を発表されました。
緑内障患者1244人と緑内障でない975人の遺伝子配列を解析。その結果、患者の大半で、ある特定の遺伝子配列に5つの変異があることが判明した。統計上、変異のある人はない人と比べ、約2倍緑内障にかかりやすくなっていた。変異があると、視神経細胞を維持するためのタンパク質の量が正常に調節されないことが考えられるという。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120317-00000138-san-sociリンク切れ
いずれにしても失明の危機を免れる最善策は、早期発見・早期治療に尽きます。早期に発見して適切な治療を開始すれば、病状の進行を遅らせるだけでなく、進行をストップする可能性もあるのだとか。田代教授によると、これらの遺伝子変異は血液検査などから簡単に調べられるとのことで、数年以内には、簡易に発症リスクを診断できるシステムの実用化を考えておられるのだそうです。今後の研究に大いに期待したいですね。
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叔母が緑内障です。
by ふぢたしょうこ (2012-03-20 00:55)
>ふぢたしょうこ さん
コメントの承認が遅くなってしまい、
本当に申しわけありませんでした。
実はうちの母が去年の年末に緑内障だと診断されてしまいました。
幸い、現時点ではまだ初期だったようで、
眼圧を下げる点眼薬での治療で済んでいます。
おばさんも、どうぞおだいじになさってください。
by ソノ日暮 (2012-04-13 13:22)