禁煙したから大丈夫!ってわけじゃない。禁煙後5年未満は糖尿病の発症リスク高く
健康志向が高まる中、百害あって一利なしと言われる喫煙に対する風当たりもますます強くなってきている現在、健康のために一念発起してタバコを止められた方も少なくないのではないでしょうか。今日はそんな健康のために禁煙に励んでられる方、中でも禁煙歴が5年未満の方に対して、糖尿病の発症リスクとの関連で興味深い調査結果が出たようなのでとりあげてみたいと思います。
禁煙と糖尿病の発症リスクに関する調査について
具体的には国立がん研究センターによって、10都府県に住む40歳から69歳までの男女約6万人もの人を対象に、5年間にも及ぶ糖尿病の発症リスク調査を行った結果、喫煙は糖尿病の発症リスクを高めることは以前より指摘されてきたわけですが、たとえ禁煙したとしても禁煙後5年間は喫煙する習慣を持たったことのない人よりも、糖尿病の発症リスクが男女ともに高くなったことが明らかになったんだそうです。
具体的な数字は、女性が2.84倍、男性が1.42倍(女性の2.84倍と言う数字は、調査対象が少ないために誤差が大きいと考えられています。)だったんだとか。
それって単に「食べ過ぎ」が原因では?
とは言え、禁煙後と言えば多くの人が食欲が増進して、どうしても食べ過ぎてしまう傾向にあると言えるので、その「食べ過ぎ」が糖尿病の発症リスクを高めているだけなのでは?なんて感想を持ってしまいがちですが、この調査結果にはまだ続きがあって・・・・
禁煙を始めた前後5年間の体重増が3キロ未満の男性の糖尿病リスクを調べたところ、同条件の非喫煙者の1.46倍で、禁煙後に体重がそれほど増えなくても、リスクが上がっていた。研究班は、体重の増減にかかわらず、糖尿病に注意すべきとしている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120229-00000001-cbn-soci
禁煙によって体重がそれほど増えなかった人でも、1.46倍と同じ程度(むしろこちらのケースの方がリスクが高い)の糖尿病発症リスクがあると言うことは、単に「食べ過ぎ」だけが発症リスクを高めているとは言い切れないとも考えられます。
禁煙後5年間は糖尿病の発症リスクが高いとの自覚をもって!
一方で、禁煙して5年以上経過している人の糖尿病発症リスクは、かつて喫煙した経験のない人のリスクとほとんど変わらないとの結果もでているので、タバコを止めたからと安心しないことはもちろん、禁煙してまだ5年を経過していない人は、少なくとも5年が経過するまでは油断せず、糖尿病の発症リスクが非喫煙者よりも高いことをしっかりと自覚して生活していくべきだと言えますね。