iPS細胞の新しい培養手法で作った神経幹細胞でマウスの脊髄損傷を回復することに成功
奈良先端科学技術大学院大などの研究チームは、さまざまな臓器や細胞に成長する能力があるiPS細胞をこれまでとは異なる新たな培養方法で、高品質な神経の素になる細胞を効率よく作り、脊髄を損傷したマウスに移植して症状を改善させることに成功しました。ヒトiPS細胞を使った損傷脊髄の修復に関しては、これまでにも成功例がありましたが、移植用の高品質な神経細胞を効率よく作るには課題が多かったと言います。その意味で今回の研究成果は大きな意味があるのだとか。
従来のiPS細胞の培養方法とどう違うのか?
従来、iPS細胞から神経幹細胞をつくる際は、iPS細胞を培養液の中で浮遊させて培養する方法が用いられてきました。しかし、この方法ではどうしても培養細胞同士がくっついてしまい、くっついて培養液に触れにくくなった部分の細胞は、神経幹細胞になりきれなくなってしまうんだとか。。その上、ちゃんと神経細胞になった細胞と、神経細胞になりきれなかった細胞がくっついた状態から高品質な神経幹細胞だけを選別するのは難しく、作製した神経幹細胞の品質にばらつきが出るのが課題でした。
そこで研究チームはヒトの皮膚から作ったiPS細胞を、培養液にまんべんなく触れやすくするように培養皿の底に接着・固定させて個別に細胞分裂させました。これにより高品質な細胞だけを簡単に選別できるようになったんだとか。この方法は、肝細胞や心筋細胞を作る際には一般的な方法ですが、ヒトiPS細胞から神経幹細胞を作るケースでは例がなかったんだそうです。
脊髄を損傷したマウス9匹へ移植したところ、移植した神経のもとになる幹細胞によって損傷部位が修復され、うち5匹がなんと体重を支えて歩けるまでに回復したんだとか。事故などによって脊髄を損傷してしまった場合などの再生医療のより一層の進展が期待されますね。
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タグ : iPS細胞 神経幹細胞 脊椎損傷 iPS細胞の新培養方法 高品質な神経幹細胞 奈良先端科学技術大学院大
ご訪問&niceありがとうございます<(_ _)>
えぇ、脊髄損傷が自力歩行出来るまで回復するんですか(@_@;)
医学や科学の進歩には、いつもビックリさせられます^^
by ニッキー (2012-03-16 23:49)
> ニッキー さん
コメントの承認が遅くなってしまい、大変申しわけありませんでした。
また、いつもご訪問&niceありがとうございます^^
特にこの分野の進歩はめざましいものがありますよね。
少し先の未来はガラっと変わってるのかも知れませんよぅ(`・ω・)b
ワクワクしながら期待しましょう!
by ソノ日暮 (2012-04-13 03:26)