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iPS細胞から作った網膜細胞で遂に国内初の臨床研究が来年にもスタート!

この1週間はPCの思わぬトラブルでバタバタしてしまいました。その間、多くの方にお見舞いと励ましのお言葉をいただきましたこと、深く感謝しております^^

トラブルが発生する直前にiPS細胞の選別に関する重要なニュースを取り上げ、その冒頭でもチラっと触れていたのですが、先週は目の網膜組織に関する再生医療を大きく前進させる2つの研究成果が立て続けに発表されていました。少し遅くなってしまいましたが、今回と次回の2回に分けて、この再生医療に関わる2つの大ニュースを取り上げてみたいと思います。まず今回は1つ目、iPS細胞から作った網膜細胞を、実際にヒトに移植する臨床研究のメドが遂に立ったというニュースから。

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iPS細胞から作った網膜細胞で遂に国内初の臨床研究が!

網膜

My left eye retina / Richard Masoner
/ Cyclelicious

体を構成する全ての組織や臓器になり得るiPS細胞から網膜細胞を作り出し、それを目の難病「加齢黄斑変性症」の患者の網膜裏に移植する臨床研究を、来年にもスタートさせる計画があることが、理化学研究所 発生・再生科学総合研究センターの研究チームにより発表されました。

もしもこれが実現すれば、iPS細胞を使った国内初の臨床研究となります!

iPS細胞による臨床研究の課題を克服

そもそもiPS細胞による再生医療では、まずはiPS細胞を治療したい患部の細胞に変化させ、それを培養したものを患部に移植することになるんですが、その過程でどうしても目的の細胞になりきれない細胞が出現してしまいます。

移植細胞の中にそんな出来損ないの細胞が混入すると、移植後にがん化してしまうことがわかっており、この点がiPS細胞を使った臨床研究における最大の課題だと言われてきました。(より詳しくは「悪いiPS細胞を取り除く必要性」で詳しく説明しています)

ところが、目の細胞の組織は他の組織に比べるとがんになりにくいとされており、さらに、研究チームによって実際に加齢黄斑変性症の患者の皮膚細胞から作ったiPS細胞から網膜組織を作製し、それをマウスへ移植する実験を繰り返したところ、がん化が認められなかったことから・・・

今後、同センターに隣接する先端医療センター病院で、院内の倫理委員会や国の審査を経て、5人の患者に移植し、安全性と効果を確かめる。(中略)

(研究チームのリーダーである)高橋政代氏は「早ければ来年中には臨床研究を始めたい」と話している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120612-00000076-mai-soci リンク切れ

そもそも加齢黄斑変性症ってなぁに?

加齢黄斑変性症と言えば、加齢に伴って網膜の中心部である”黄斑部”が変質してしまうことにより、特に見ようとする部分が見えにくくなったり、歪んで見えたり、さらには著しい視力低下を引き起こす疾患で、悪化すれば失明にもつながる恐ろしい眼病です。少し前までは治療法すら無かったこの難病ですが、再生医療による治療法が確立すれば、病気の進行を遅らせたり、視力を回復する効果が期待できるのだそうです。

いよいよ再生医療に現実味が!

下にリストアップしたように、これまでにも度々iPS細胞に関する研究成果を取り上げてきましたが、これまでは「あんなこともできるのか、こんなことも可能なんだ!」と驚きはあったものの、そのどれもが動物実験であったり試験管の中の話でした。でも今回の発表で、iPS細胞を使った再生医療にいよいよ現実味が出てきたという感じですね!

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まつき

遠い将来の事かと思ってましたが、わりと近い将来に
実現するかもしれないんですねぇ。スゴイです(@_@;)
by まつき (2012-06-22 08:45) 

空楽

コメントありがとうございました。


by 空楽 (2012-06-22 11:58) 

kuwachan

こんにちは。
iPS細胞を使った再生医療、一日も早く実現するといいですね。
心待ちにしていらっしゃる方がたくさんいることと思います。
by kuwachan (2012-06-22 12:48) 

リキマルコ

次々に治療法が発見されますね!!
安心して受けられる治療方が早く実現してほしいものです♪
by リキマルコ (2012-06-22 13:18) 

美美

加齢による~と聞く度に、
だんだん恐ささえ感じる今日この頃です。
少しずつでもメンテナンスしながら健康を保っていきたいです^^;
by 美美 (2012-06-22 17:53) 

旅爺さん

医学の進歩は目覚ましいものがあり、もう神の領域では、と思うことさえあります。目は人間にとって一番大切なものなので、多くの人が光を取り戻せることを願います。
by 旅爺さん (2012-06-22 19:34) 

uryyyyyy

ソノ日暮 さん、こんばんは。

内蔵に続き、神経細胞(でいいのかな?)にも
明るい兆しなのですね。
目が見えないってのは、とても不便ですから
是非とも早期の実現化を期待したいです。
by uryyyyyy (2012-06-22 19:51) 

しゃぎゃ


何とか退院しました^^;

励ましのコメントありがとうございます!

感謝です!
by しゃぎゃ (2012-06-22 21:12) 

ゆうのすけ

PCのトラブルから 回復されて良かったですね!^^☆
by ゆうのすけ (2012-06-22 21:40) 

ニッキー

まだまだ人間での臨床実験は先の話だと思っていましたが(@_@;)
上手く研究が進めば、失明されてる方とかも手術出来ますよね^^
こういう医学の進歩は大歓迎です(^O^)
by ニッキー (2012-06-23 00:16) 

ソノ日暮

◇ まつきさん

そうなんですよ!
目に関しては、実用化は結構早いかも知れませんね~
若い頃から視力だけは自慢だったんですが、
ここへ来て老化がかんなり進んでるんで、
頼もしい限りです^^


◇ 空楽さん

こちらこそありがとうございます!
全然参考になるようなこと書けなくてすみませんでした^^;


◇ kuwachanさん

ホントですよねぇ~
この分野の研究成果を、一日千秋の思いで待ってらっしゃる方、
沢山いらっしゃると思うんで、
たとえ一日でも早く実用化にこぎつけてもらいたいものですよね^^


◇ リキマルコさん

iPS細胞による再生医療には、
まだまだ未知数な点が多いですからねぇ・・・
来年にも行われるであろう臨床試験で、
良い結果が出てくれることを祈るばかりです^^


◇ 美美さん

実は僕も「加齢による・・・」と書く度に、
胸にずきゅん!と銃声が響き渡る今日この頃です^^;
PCに向かうにしても、例えば1時間に1度はモニターから視線をはずして、
たとえ5分でも良いから目を休ませる・・・などなど、
日々のちょっとしたメンテナンスを根気よく続けていくことで、
長い目でみると随分変わってくると思うんですよね^^


◇ 旅爺さん

そうなんですよ!
先ほど投稿した記事にもちらっと書いたんですが、
特にこのiPS細胞を使った技術を利用すると、
何でもできちゃうわけで、その適用範囲をどう決めるか?
どこまでが人間が手を出しても良い領域で、どこからが神の領域なのか・・・
その線引きってかなり難しいですよねぇ(-ω-;)
ま、とりあえず網膜に関しては問題はなさそうですが^^


◇ うりさん

めっちゃ明るい兆しだと思います^^
これまでのiPS細胞に関する話題は、
たいていどれも「作ることに成功しました!」って話だったわけですが、
今回はそこから1歩進んで、実際に患者さんへ移植してみるよ!って話ですからね^^
しかもこの1歩って単なる1歩じゃなくて、めちゃくちゃ大股な1歩ですよ(`・ω・)b


◇ しゃぎゃさん

先ほどしゃぎゃさんのブログへもコメント残しておいたんですが、
退院おめでとうございます!
1ヶ月で17キロも痩せられたそうで・・・大変でしたねぇ。
焦らず、ゆっくり、のんびり行きましょう^^


◇ ゆうのすけさん

ありがとうございます!
おかげさまで何とか復旧にこぎつけ、
やっと平常通りに戻ったって感じです^^


◇ ニッキーさん

そうなんですよ~
iPS細胞から細胞を作れた~って話と、
作った細胞を患者さんに移植するよ~って話の間には、
かんなり高いハードルがありそうですもんね!
あとは臨床試験で良い結果が出てくれることを祈るばかり・・・
光を失った方、光を失いつつある方にとって、
文字通りの”一筋の光”になると良いですね^^

by ソノ日暮 (2012-06-23 02:01) 

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